降圧剤の不妊治療への影響と認知症治療薬との併用

血圧が140/90mmHg以上となると一般的に高血圧症に分類されます。高血圧症は近年塩分摂取量の増加や食生活の欧米化、運動不足に起因するメタボリックシンドロームなど生活習慣病が原因となって起こることが多くなっています。一時的に血圧が上がることは体にさほど影響はありませんが、もし血圧が高い状態が長期間継続してしまうと、徐々に動脈壁が傷ついて弾性を失っていき動脈硬化が進んだり、動脈瘤や血栓を作り出してしまいます。結果として、脳血管疾患、心疾患、腎不全など生死に関わる重大な病気へとつながってしまうのです。よって高血圧と気づいてからできるだけ早い段階で治療や生活習慣の改善に取り組む必要があります。
高血圧症の治療には降圧剤を使用した薬物療法が主に行われます。Caブロッカー、ARB、ACE阻害薬、利尿薬、βブロッカーなど様々な降圧剤が存在しており、その人にあった降圧剤が選択されます。
降圧剤の不妊治療への影響に関してですが、降圧剤は妊娠中に服用することができない薬が多数存在します。よって妊娠を希望していて不妊治療をしている方は必ずその旨をかかりつけ医に知らせておく必要があります。妊娠中にはアルドメット(メチルドパ)が使用経験上比較的安全に使用できることが確認されているため、不妊治療中においても影響の出にくい薬と言えます。
降圧剤と認知症治療薬の併用に関してですが、認知症治療にはアリセプトなどのコリンエステラーゼ阻害薬やメマリーが使用されます。このうちメマリーは降圧剤との併用は問題ありません。しかしコリンエステラーゼ阻害薬は心機能を抑制する効果があるため過度に血圧を下げてしまうことがあります。またCaブロッカーとコリンエステラーゼ阻害薬の代謝酵素が同じであるため互いの効果を増強してしまう可能性があります。よって認知症治療中はとくにコリンエステラーゼ阻害薬を使用している場合に注意が必要です。